一月に行われた会の様子を「新年小集」という題で詠ってみた。「旗亭」とは居酒屋のことである。中国では酒屋の前には旗を立てて客を呼び込む。有名な杜牧の詩の一句「水村山郭 酒旗の風」、は居酒屋風景を表している。「鷗盟」とは詩などの風雅を愛する仲間をいう。会長はもと大学教授で、中国文学の専門家で書家でもある、その他にも高名な老漢詩人、日展に書道部門で入選を果たした女性教育者、絵画を研究して年に二カ月ほどはヨーロッパに滞在しているといわれる女性、虫の研究家などメンバーは多士済々である。「詩腸を鼓す」とは詩を作る心が刺激される意。文学を論じ、詩を批評し、書画を評論していると、あっという間にお開きの時間がやってくるのである。

表紙に戻る
『京都の生活』に戻る
京都の生活 第146回 新年小集 (2013.2.24)

居酒屋で月に一度開かれる面白い漢詩の会がある。近畿漢詩連盟に参画したおかげで、会長が主宰するこの「提壺吟会」に入れてもらった。「提壺」とは晋の劉伶の[酒徳頌]にある言葉で、「止まるときは巵(さかずき)を操り、瓢を執り、動くときは則ち、榼(たる)を挈(さ)げ、壺を提ぐ」とある。要は酒のみの集まりということである。ただし、呑めない女性会員も参加しておられることも強調しておきたい。

会の雰囲気を紹介するために写真をかかげておく。メンバーは書家、漢詩人など兵庫・大坂・京都の各地から10人ほどが、月に一度、西宮駅前にある居酒屋に集まってくる。

持ち寄った詩を会長に添削してもらう一方、話題は四方八方に広がってあっという間に
2時間が経過してしまう。